2年前…
ランドヌール部門で出走したものの、タイムオーバーしてツーリスト部門での認定完走となったSR600富士。
1年前…
天を味方につけて乗鞍を確実に越えるべく、あえてツーリスト部門で認定完走したSR600日本アルプス。
年に一度のSR600の時だけ九州から遠征し、飛行機輪行も何となく要領を得て、準備するもの、調べておくこと、前後の過ごし方とか、やるべきことと必要ないものの取捨選択、少しずつ自分なりの形になってきた気がする。今回でまだ3回目だけどね(笑)
2017年に入って国内4本目のSR600として、新たにSR600四国山脈(AJ岡山)が加わった。次の北関東を走って、まずはコンプリートだ…と思っていたのに(笑)
でも前回の日本アルプスを終えてから、次は北関東だと意識していたし、富士の時に通過した渋峠をもう一度走ってみたかったこともあって、来るチャンスに備え北関東に向けてのリサーチを進めていた。

(クリックすると大きな画像が見られます)
それともう一つ、今年から獲得標高に関わらず制限時間が一律60時間になったことも新しい。
昨年までの北関東は55時間。その差5時間はとても大きく、その分を十分な仮眠に充てたり、長大な登坂にじっくり挑んだり、無理のないペース作りであったり、それだけで時間内完走という現実味がグッと増すのではなかろうか。
スタートからゴールまで、SR600を走りきる為にはコースを理解したり、補給や仮眠場所といった周辺情報のリサーチが準備の大半を占める。これは日頃のブルベでも同じなのだが、遠い地方からやって来る者として1番頭を悩ませるのは、スタート地点までどうやって行くか?である。
北関東のスタートゴールは栃木県宇都宮にある宇都宮森林公園。ジャパンカップと呼ばれる国際ロードレースのメイン会場でもある。最寄り駅でいえばJRは宇都宮駅、東武鉄道だと新鹿沼駅。

(宇都宮森林公園に行くと至る所にレースにちなんだ標識やオブジェがある)
ぱっと思いつくのは九州から新幹線を乗り継いでJR宇都宮駅まで行く方法。博多と東京で乗り換えるくらいで確実に行ける。料金はのぞみ往復早割などを駆使して45,000円~。輪行袋が置ける最後列席の確保が重要となる。
あとは飛行機と都心経由の輪行による移動。利便性のいい羽田だとスカイマークがその候補に挙がるが、輪行袋を抱えて都内で乗り換えなんて出来るのか、田舎者にはなかなかのハードルだ。
当初は5月頃で考えていた出走も、今年に入ってから仕事がとても順調で毎月何かと多忙だった。そして休むタイミングが計れないまま、とうとう繁忙期の夏場を迎えてしまった。そうなると次に狙うは9月。それも台風シーズン直前の9月初めしかない。
そんな中、7月末頃ジェットスターから流れてきた1通のメルマガ。そこには秋のセール便の文字が。過去2回の遠征で利用した福岡便は対象外だったが、これまで頭に無かった熊本便にセール便があって検索するとなんと最安値は片道3900円!

(出発当日の熊本空港にて。この日の便は満席だったようで人気ぶりが伺えます)
考えていた日程に当てはめて再度検索すると…
9月3日午前の熊本→成田
9月7日夕方の成田→熊本
…に最安値の空席があったので、もうこれしかない!と急いで予約。日程が半ば強引に決定したところで主催クラブへの参加申請まで一気に済ますと、SR600北関東はランドヌール部門で9月4日0時スタートという運びになった。
最安値とはいえ、今年に入りジェットスターは自転車にそれまで無かった大型手荷物料金が別途必要になったりして、総額は往復16000円ほどになったが、日程が全て決まれば、あとはもうそれに向かって動いていくだけ。

(今回もモンベルのクイックキャリーで輪行しました。ジェットスターの規定は
こちら)
ところが最後までなかなか決められなかったのが、成田から宇都宮まで行く手段だった。
運賃と乗り換え回数のバランスを考え、最終的に…
成田(空港第二)→京成羽田行きアクセス特急→浅草
浅草→東武日光行き特急けごん→新鹿沼
新鹿沼→自走 約10km→宇都宮森林公園
…と決めたのは移動日の2日前(笑) 乗り換え1回、運賃は片道合計3200円。
往復のトータルは飛行機と合わせて22000円ほど。先の新幹線往復と比べて約半分の旅費で済んだ。
ところが乗り換えを1回だけにするため選んだ浅草駅だったが、実際はちょっと面倒な乗り換えだったがいい経験になった。その時の様子はいずれ。
9月3日は移動日で4日0時スタート。当初は宇都宮に着いたら駅周辺にある健康ランドで仮眠を取り、駅のコインロッカーに荷物を預けてスタート場所へ移動…なんて事を考えていたが、旅費が幾らか浮いたことだし思い切ってホテルに前泊することにした。
夕方前にチェックインしたとして滞在時間はせいぜい6~7時間。ちょっと勿体無いかな~と思いながら予約サイトを検索。すると宇都宮森林公園から直線で300mほど、鶴カントリークラブ内に併設された『ホテル鶴』が素泊まりながら1泊1名4500円で提供されていたのでネット予約。後日電話をかけ相談したところ、チェックアウト後の荷物を3日間ほど預かって貰えることになり安心した。

(実際に泊まった客室。とりわけホテルの人がすごく親切でとても好感が持てた)
部屋は1名利用ながらツイン、館内に広めの浴場があってスタート前の英気も養えるし、夕飯は途中のコンビニで調達してからチェックインすればいい。
ちなみにホテルは名称を変えたのか『宇都宮インターリゾートホテル』になっているが、以前のホテル鶴と同じ所在で間違いない。
肝心の自身について触れるとすれば、ロングは7月初めにAJ福岡のBRM701下関600kmを走ったきり。あとは8月になり1度だけ友人と100kmほどのグルメライドに出掛けたくらい。
実は6月から痛み出した腰痛があって、自転車に1mmも乗らないまま7月の600kmを走って何とか認定完走したものの、その後はほとんど自転車に乗らず鍼灸や整体に通って身体のケアばかりしていましたから、そんなんでSR600なんて走れるのかよ!って言われても仕方ない状態でした。

(普段は外してある第3のボトルゲージを取り付けるのは近年ではSR600の時だけ)
でももう自分で行くことを決めてしまった。1年に一度だけ、濃密な5日間を過ごす為に準備を進めてきた。
とにかく走る。走って60時間以内にゴールしたい。
かくしてSR600北関東に向けた道を進み、ついに移動日の朝を迎えるのだった。